解雇予告手当は、税務や社会・労働保険ではどう扱う?

こんにちは、三ツ星HRコンサルオフィスです。

先日、以下のTweetをしました。

最近、解雇・退職勧奨に関するご相談がおおい。
実際、この機会(コロナ)にローパフォーマーを整理しようという流れのようです。
やるのは経営判断ですが、色々と解雇予告手当だの何だのと事務処理上の問題があることをお忘れなく

就業規則に規定があれば、「解雇すること」はできます。
しかし、あまり雇用調整になれてない事業主さまは、即時解雇しても解雇予告手当を支払っていないようなことも散見します。
その解雇予告手当、支払ったはよいですが、税務上、社保・労働保険上の取扱いが特殊です。
解雇予告手当は、退職所得に該当し、源泉徴収(所得税)、特別徴収(住民税)の対償になりますが、他に退職金の支給がなく申告書の提出があれば、一般的な税額は生じません
また、社会保険の報酬・労働保険の賃金には含まれませんので、ご注意ください。
たまに離職票上の賃金に計上されていることありますよ。
そこで、当記事では、解雇予告手当の税務・社保・労働保険上の処理について簡単にまとめてみました。
人事労務担当の方は、いざ雇用調整の際に、処理にあわてることがないように是非抑えておきたい事項です。

税務上の取り扱い

労働基準法20条において、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない」とされており、通常これを解雇予告手当と呼んでいます。

税務上は、「労働基準法20条<解雇の予告>の規定により使用者が予告をしないで解雇する場合に支払う予告手当は、退職手当等に該当する」こととされています。

源泉徴収の取り扱い

解雇予告手当は退職所得に該当しますので、通常の給与としての源泉徴収を行うのではなく、退職所得としての源泉徴収を行うことになります。

具体的には、通常の退職金の場合と同様に、退職所得の受給に関する申告書の提出がある場合には、解雇予告手当の支給額(他に退職金の支給がある場合には、退職金と解雇予告手当との合計額)に応じて、源泉徴収額を算定することになります。

解雇予告手当のほかに退職金の支給がない場合には、退職所得控除額は最低80万円ですから、退職所得の受給に関する申告書の提出があれば、一般的には源泉所得税は生じないことになるでしょう。

なお、住民税の特別徴収についても、退職所得申告書の提出があれば、同様に特別徴収税額は生じないことになります。

ただし、退職所得の受給に関する申告書の提出がない場合には、解雇予告手当の支払額(他に退職金の支給がある場合には、退職金と解雇予告手当との合計額)に源泉徴収税額がかかります。

社会保険の取り扱い

社会保険料の算定の基礎となる報酬とは、給与、賃金、手当等の名称に関係なく、原則として被保険者が事業主から労働の対償として受けるすべてのものをいいますが、解雇予告手当については、臨時に受けるものとして報酬とはならないこととされています。

労働保険の取り扱い

労働保険料の算定の基礎となる賃金とは、事業主がその事業に使用する労働者に対して、賃金、手当、賞与その他名称のいかんを問わず労働の対償として支払うすべてのものをいいますが、解雇予告手当については、賃金とはしないこととされています。

まとめ

上述しましたが、よくあるミスが、離職票に賃金として計上されていることです。

最終賃金だけ以上に高ければ、ハローワークから問い合わせがあり、ミスが発覚しますが、そのまま処理がすすんでしまうこともあるようです。

いざ、雇用調整をやるとなったら、解雇予告手当の処理に気をつけたいものです。